H.Matsui's Ark

久のポイントへ行くと流れ等は何とかなるレベルだが、問題は魚の回遊でその気配は感じられない。
けど風も水面の雰囲気も良いので、ほぼフルキャストを楽しみつつここの釣り方を行う。

しばらくすると車が一台接近して来て背後に止まり、「釣れるかな（笑）？」と聞かれる。
見るとどこかで話した事がある80歳位の人で、アロハシャツを着たヤンキー(陽気)系の方。

「いえ、全然です（笑）」
「ルアーしょん？、スズキじゃったら堰(せき)行かんと。ここでする人はおらんし釣れんで（笑）」

確かに自分以外、ここでルアーをする人を見た事はないが、自分は何匹も釣った事があるし、他にルアーをする人がいないから良い面も多い。

「でも堰堤(えんてい)は許可証がいるんでしょう？、持ってないんですよ（笑）」
「夜じゃったら世話ねえわ、ゆうてもたまに管理人？が来るけどな（笑）。邪魔なもんはみな通報しょうるから（笑）」

という流れで許可証を見せてくれたが、そりゃ持ってる人だからそう言えるのだろう。

「わしゃルアーも60個ぐれもっとる。見せたげようか？」
「ええ」

そして普通はルアーを入れない物のフタを開けるとズラリとルアーが掛かっており、中には箱に入ったままのもあって確かに60個位ありそうだった。
言いそれびれたが中古屋に売っても二束三文なので、移動販売をすればいのではなかろうか？。

そして話題はプロのみが知る話題に向かう。

「旭川や岡山港のは臭かろう？、あっこらのはウナギでも千円は安うなる。チヌでもスズキでも何でも。」
「・・・・・金属・・・・・ガスが出ようるからな。ハゼ釣りでもみなこっちへ来る。」
※ここらは書き惜しみではなく、普通に釣りを楽しむ人は知らない方がいい事もあるので

まぁ自分も時々プロなのでそこらの事情は知っているのが、後はプロ視点での話が多かった。

けどこの方は多分本当に釣りも好きなのだろう。
自分が釣りをしなくても色んな釣り人と話してた様だし、何となくそう感じた。

この後は2ヵ所回るも特に何もなく、本能的に粘る意味も無さそうなので終了とした。
やっぱり実戦の中でどんな悪天候だろうが「ここはやるべき」、「今回はいくら粘っても徒労に終わる」などの見切りが出来る様になってるし。


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