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2008年02月13日

スズキ釣り

 スズキは、現在では旋網や底曳網、刺網、定置網などでたくさん漁獲されていますが、明治時代には一本釣や曳縄で漁獲されていました。明治20年頃の漁期・漁法控によると、スズキ釣の道具は、釣1匁5分(約6g)、テグスの長さ18尋(27m)で、錘を用いず、とあります。この道具はクロダイ釣と同じ仕掛けであったようです。クロダイ釣りは3分(約1g)の鉛を錘として付けていますが、スズキ釣りには錘を使っていません。現在でもスズキ釣りは、活シコ(カタクチイワシ)を餌として使用し、錘を使っていませんので、現在のものとあまり変わらない漁法であったようです。

 スズキ一本釣りの漁法は大変ユニークなもので、私は昭和50年頃このスズキ釣りを経験しました。スズキ釣り専業の漁船に幾度となく同乗してスズキを釣りましたが、この漁場が定置網の垣網を利用したところでした。垣網とは、定置網の箱網から岸に向かって長く張り立てられた網のことですが、スズキはこの網に沿って泳ぐ性質を利用したものでした。

 スズキ釣漁船は定置網の垣網の近くに来ると、釣場となるところを選び、垣網から10m近く離して錨を落とします。それから、餌となる活シコ(カタクチイワシ)を漁船の活漁槽の中から取り出し、その鼻先に釣針を通して、できるだけ垣網の近くに落ちるようにこれを投げ入れます。垣網から離れた地点に落下したときは、たぐり寄せてまた投げ入れます。餌のシコは落下地点の周りを泳いでいますが、垣網に沿って泳ぐスズキはこの餌に食いつきます。小さな当たり(魚信)があって次に大きな当たりがきます。この当たりがあると直ちにスズキを引き寄せます。ちょっとまごついていると、スズキは垣網の大きな網目を通り抜けて反対側に通り抜けてしまいます。ゆっくりたぐり寄せていると、スズキは船に向かって突き上げてきたり、逃げようとして走り出します。こうなると大変です。逃げようとするスズキとそれを引き寄せようとする釣手との戦いです。スズキが突き上げてきたときには、釣針からはずれたのではないかと思うほど縄がたるみます。このときに、すばやく縄をたぐり寄せます。これがうまくいくと簡単に獲物を取り込むことができるのですが、まごまごしていると、スズキが海面から飛びはねり、鰓で釣糸を切ったり、針をうまくはずして逃げられることがあります。これが、スズキの鰓洗いです。やっとの思いでスズキを船内に取り入れると、心の底から感動と充実感が沸き上がってきたことを、今でも思い出します。

 このスズキ釣りも最近ではあまり見かけなくなりました。昔は定置網の周りに数隻のスズキ釣り漁船が操業をしていました。もちろん、この漁船と定置網とは共存共栄の関係で、釣りに使う餌はこの定置網から買い、ときには定置網の網起こし作業を手伝ったりします。

 では、最近のスズキはどのような漁法で多くとられているのでしょうか。

 平成12年の漁法別の漁獲量をみると、スズキを最も多くとっている漁法は旋網と小型底曳網でした。旋網の中でも東京湾にある横須賀市鴨居地区の旋網が112トン、次いで横浜市の小型底曳網で110トンでした。この二つの漁法で全体の約40%をとっています。これがいつ頃からこのようになったかを少し調べてみましょう。

 明治時代から昭和30年頃まではスズキは一本釣りや曳縄で漁獲されていました。昭和31年の統計をみると、スズキは釣りで全体の約66%を漁獲していました(17.5トン)。次いで、小型定置網の1.7トン(約6%)で、旋網はわずか0.8トン、小型底曳網はほとんど漁獲していませんでした。

 それが、昭和30年代後半から旋網の漁獲が少しずつ増えてきて、昭和42年には、旋網が全体(214トン)の約41%を占め、釣りの約26%を追い抜きました。このときはまだ小型底曳網ではわずか4トンしか漁獲していませんでした。旋網はどんどん釣りとの差をつけ、小型底曳網の漁獲も年々増え、昭和51年には小型底曳網も釣りの漁獲を抜く事態となりました。この間の釣りの漁獲量は年間50トン前後で安定していましたが、昭和50年には26トンと半減し、平成12年には釣りの漁獲はわずか7トンと非常に少なくなりました。

 この旋網や小型底曳網は主に11月頃から翌年6月頃に多く漁獲していますが、釣りが主体であった昭和30年頃では、4月から8月までが盛漁期で、9月から翌年3月までの秋冬季はあまりスズキをとっていませんでした。特に冬季のスズキは産卵のために浅いところに集まってきますので、釣りでもとろうと思えばとれる状態にあったはずですが、あまり漁獲されていません。これは、現在でも変わりませんが、スズキの旬が夏で値段が高くなり、産卵期には安くなるためあまりスズキをとらなかったようです。また、釣りでは大量のスズキを水揚げすることはできませんので値段の高い時期にとり、旋網などのように、大量に漁獲できる網では安い単価は量で勝負しているようです。
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日本のスズキ釣りのルーツは小魚を餌にしてたのだから、ノマセ釣りが最も日本的なスズキ釣りにも思える。
ルアーの場合は単調なバイトからHITだけだが、ウキ、ブッコミ、投げはアタリから食わすまでに数分掛かる誘いが必要な事も多く、釣り手の技量が問われる事も多い。

まぁシラサを使ったウキ釣りからビッグプラグまでこなす自分としては、どれも型を狙うとそれなりの難しさがあるように思える。
他県は知らないが、近辺は例えばウキ釣りでも基本的に誘い無しでは釣れない。
ただルアーは釣れると70cmも普通だが、餌で狙う70cm以上の方が難しい様に思える。
まぁこれには理由もあるが。

疑問に思う人は実際にやってみるといい。


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