H.Matsui's Ark

1ヵ所目は完璧にハズレなので、一応撃つだけ撃って移動。
2ヵ所目は居るのは居る筈(はず)だが、やっぱり流れも緩いし大雑把な釣りでは釣れそうにない。

ふと何かを感じて後ろを見ると、真っ黒の細身＆小さ目の野良猫が居た。
真後ろの間合いに入られたのは確か初めてで、やっぱり【猫足】と言われるだけの事はあるが、これが例えば豹だったらアウトだったか。

多分誰かが釣ったか獲った小魚をあげた事のある猫なのだろう、ここから付き纏い(つきまとい)行為が始まる。
足の前にしゃがんだり両足の間にしゃがんだりして何か言ってるし、かなり人に慣れている様。


けどお腹が減って催促しているのか立ってパンツを軽く引っ掛きだすので、これには「やめ～」と言うが、今度はしゃがんだまま靴を軽く引っかき出す。
まぁパンツも靴も釣り用にしている物なので何ともないが、スレ掛かりさせる魚も居ない様だし、ネット(網)を使っても獲れる魚は居ない様だし。

途中何度かその辺をうろうろしたが、戻って来たら足元にステイする感じ。
「自分が魚を釣る⇒体の前に抜き上げる」と言う動作＆雨も殆ど掛からない自分の足元は、この猫に取って格好の捕食ポジションなのだろう。

結局、釣りを終える迄延々絡まれたが、車で去る間もずっとこっちを見ていた。
他に雨を凌げる(しのげる)場所はあったが、それを直ぐ行わなかったと言う事は、やっぱり猫は人間好きな部分もあるのだろう。

これも一期一会(いちごいちえ)だと思うが、“生き物との出会い”と言う面では魚を1匹釣ったのと同じか。
自分は猫を飼った事がないし、実際、単に60前後のシーバス1匹釣るより面白い事は多々あった。


.ねこ‐あし【猫足／猫脚】
１ 猫のように音を立てないで歩くこと。また、その歩き方。　「例の如く―にあるいて来て」〈漱石・坊っちゃん〉
２ 膳(ぜん)や机などの脚で、上部がふくらみ、中ほどがやや細くなり、下部が丸くなっていて、猫の足の形に似たもの。


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