相次ぐスズメバチ被害 「女王」出産期で敏感、警戒を
児童ら6人がスズメバチに刺された福岡県では、18日にも中学生ら57人が被害にあったばかり。こうしたスズメバチの被害が、全国各地で相次いでいる。秋に女王バチを出産するため警戒が高まっているためだが、刺されて死亡するケースの多くがこの時期に起きている。今年は大人数が被害にあう事例が多く報告されており、専門家は「例年より巣が大きくなっている可能性がある」として注意を呼びかけている。(前田明彦)
◆捕獲数4倍に急増
福岡県では18日、岡垣町の山林で清掃活動に参加していた町立岡垣東中学校の生徒と教諭ら57人が次々とスズメバチに襲われた。4日には、兵庫県篠山市で農作業中の男性(83)がスズメバチに刺されて死亡している。9月22日には北海道石狩市の防風林で保育園児ら25人が、同28日には富山県立山町の来拝山で小学生ら19人が刺されて軽傷を負うなど、全国各地で被害が出ている。
玉川大学農学部の小野正人教授は9月から10月にかけては「スズメバチの巣が最も大きくなり、個体数も多い時期」と指摘する。「来年の女王バチを産む作業に入っているため、外部からの刺激に非常に敏感になっている」と警鐘を鳴らす。
スズメバチの定期的な捕獲調査を実施している名古屋市生活衛生センターでも、市内10区の8月の捕獲数は688匹だったが、9月は約4倍の2525匹に急増した。「9月はオスバチの数も増えており、巣の付近では交尾が始まっている。巣に近づかないよう十分に注意してほしい」と呼びかける。
秋のスズメバチに注意するのは例年通りだが、小野教授は「今年は大人数が被害にあう事例が多い」と話す。気象庁によると9月の平均気温は平年より高く、上旬は北日本で、中旬は東・西日本で顕著な高温となった。このような気象条件から「ハチの活動が弱まる寒い日が少ないことで、(各地で)スズメバチの巣が大きく成長している可能性がある」(小野教授)。岡垣町の被害についても「状況から見て200匹ぐらいのスズメバチに襲われており、巣の中の総数は1千匹程度と比較的大きな巣。温暖な気候が続いた年はスズメバチの巣が大きくなることに加え、活動期間が長くなることもある」と話している。
◆刺す前に“警告音”
小野教授によると、スズメバチは「いきなり刺すことはない」という。種類にもよるが、巣から5メートル程度の距離まで近づくと、2~3匹が身の回りをまとわりついて「警戒」し、その後、アゴをこすり「カチッ、カチッ」という音を出して「警告」を行う。この時点で巣からゆっくりと遠ざかれば刺されるリスクは減るという。
だが、手で払ったりさらに近づいたりすると、毒液をかけられて「攻撃対象」と見なされ、巣から出てきたスズメバチに一斉に襲われるという。
小野教授は「クマに襲われて死亡するのは年間10人前後だが、スズメバチは年間20~30人が死亡している。スズメバチは人間と生活圏が重複しており、クマ以上に危険な生き物と思って常に注意を払ってほしい」と話している。
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出産期は変わらないし、では何故今年攻撃的かと言えば紫外線量増加もあるだろうし放射能の影響もあるかも知れない。
で、一番厄介なのはキイロスズメバチよりオオスズメバチだろう。
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